朝夕はすっかり冷え込み、秋らしい気候になりましたね。
秋といえば「芸術の秋」。
さまざまな美術館や博物館で特別展が開かれていますね。
実は、お寺様でも宝物(ほうもつ)を一般公開することがあります。
今回は京都 東寺(とうじ)で開催されている「東寺のすべて」に行ってまいりました。
2023年10月9日から31日までは「東寺のすべて」特別展で両界曼荼羅図が、10月22日から11月25日までは宝物館で弘法大師の「風信帖」が公開されます。
見どころなど詳細を紹介したいと思います。
拝観時の注意点もあわせて記載していますので、興味のある方は最後まで読んでくださいね。
東寺(とうじ)とは
東寺とは、教王護国寺の通称です。
平安京羅城門の東に建てられたことからこの名前がついています。
昔は西寺もありましたが、現存していません。
823年に空海が嵯峨天皇から賜り、真言宗の道場にしました。
何度も火災で焼失しているため、現在の東寺は江戸時代に再建されたものです。
平安時代には比叡山とともに貴族の信仰を集めたお寺様で、多くの国宝を所蔵しています。
「東寺のすべて」特別展はここがすごい!
今年は真言宗立教開宗1200年の節目に当たります。
そのため、重要無形文化財に指定された宝物や建物の中を一挙公開。
特別に国宝の両界曼荼羅図と国宝弘法大師尺牘(風信帖)を展示しています。
これらを目にできる機会はめったにありません。
また五重塔、観智院の内部を拝観できるのはありがたいですね。
五重塔には仏像が、観智院では宮本武蔵の直筆絵画を目にすることができます。
この機会を見逃したくはありませんね。
また、講堂に安置されている立体曼荼羅21躯のうち16躯が国宝に指定されています。
文化庁のHPによると、国宝・重要文化財に指定されている彫刻は2692件、そのうち国宝は130件しかありません。
まとめて拝観できるのは、まさに「僥倖」です。
「東寺のすべて」展の感想
新型コロナウイルスが5類になり、観光客が戻ってきています。
ですが、東寺は周辺に観光地がないため、追い立てられることなく余裕をもって回れました。
人混みが苦手な方はウィークデーがおすすめです。
順路の最初に位置する講堂の立体曼荼羅は21躯の仏像が安置されていてまさに壮観。
国宝の仏像が多く、目を奪われます。
特に仏教の知識がなくとも、おごそかな雰囲気に心が洗われますね。
仏像には「見方」があり、分類や時代、制作方法、材質など注目すべき点はたくさんあります。
一夜漬けでも勉強して拝観した方がおもしろいとは思いますが、なにも知らずに拝むのもありだと思います。
ひとつひとつの仏像に手を合わせ、表情を観察するだけでも貴重な経験。
スマートフォンで聞ける無料音声ガイドが用意されていますが、どんなに拙くとも自分の感性で鑑賞するほうが勉強になると思いますね。
正面向かって左側には、美しいお顔立ちで有名な帝釈天像があります。
象に乗ったおだやかな帝釈天は、悠久の時を感じさせますね。
東寺の五重塔は現存する古い塔でもっとも高いのだとか。
中は、仏像が安置され、壁に高僧の絵が描かれていて驚きました。
キリスト教の教会は壁に聖者が描かれることがありますが、それに似ていますね。
経年劣化でところどころ絵の具がはげているのですが、そこも味わいがあります。
五重塔の中には階段はありますが、私たちはのぼれません。
お寺で働く方々でも、建物の捕集点検のときにしか使わないとのこと。
できれば、のぼってみたいですよね。(笑)
観智院にある宮本武蔵作の襖絵は「鷲」と「竹林」を描いたもの。
絵の具が薄く、輪郭線がおぼろげ。
なんとなく「これが鷲の羽なんだろうな」とわかる程度ですが、勢いのある筆つかいはさすが。
別の部屋に設置されたディスプレイに宮本武蔵の再現アニメーションが映し出されていました。
本当にあのアニメーションのようにすばやく筆を動かして描いたのかはわかりませんが、雰囲気はつかめます。
講堂・金堂・五重塔・灌頂院・宝物館・観智院・食堂をすべて見て回ると2時間以上かかりました。
時間には余裕をもって拝観されることをおすすめします。
東寺 拝観する時の注意点
10月とはいえ、京都は日差しが強いため日傘はあった方がいいですね。
私は日傘を忘れたため、直射日光に当たり疲れました。
東寺は敷地が広く、境内には砂利が敷き詰められています。
少し歩きにくいので靴はハイヒールをさけ、スニーカーかウォーキングシューズにしましょう。
また、靴を脱いで拝観する場所が2か所ありますので、着脱しやすいものがいいですね。
その際、靴を入れるビニール袋が用意されていますが、地球に優しく使いまわし。
受付の方がアルコール消毒されていましたが、潔癖症の方は袋・スリッパを持参しましょう。
お堂の前にある階段が急で、一段の高さが20cm近いところがあります。
また、灌頂院の中は床がとても滑りやすいので、ご年配の方や小さなお子様には不向き。
同行はやや厳しいと思いますね。
さまざまな場所に「浄財」の箱、有料のお線香があります。
小銭は多めに持って行きましょう。
まとめ
京都の東寺(教王護国寺)の特別展「東寺のすべて」特別展はめったに見られない両界曼荼羅図、風信帖が目にできる機会。
お時間のある方はぜひ、どうぞ。
服装は動きやすいもの、靴はスニーカーやウォーニングシューズがおすすめ。
天気がよい日は日傘が必須です。
お堂の前にある石段は急こう配。
ご年配の方、小さなお子様との同行には不向きです。
全てを見終わるのに2時間はかかります。
余裕をもって拝観してくださいね。