2024年1月3日放送予定の日テレドラマ『侵入者たちの晩餐』。
脚本はバカリズムさん、主演は菊地凛子さんというユニークな組み合わせの話題作ですね。
そのドラマに吉田羊さんと共に名を連ねるのが平岩紙さん。
もともと「名脇役」として定評がある女優さんですが、民放スペシャルドラマでのこの抜擢はファンにとってうれしい出来事です。
今回は平岩紙さんの魅力と、おすすめの出演作について紹介します。
平岩紙さんのプロフィール
平岩紙さんは1979年11月3日大阪府吹田市出身。
舞台芸術学院演劇部本科卒業。
所属劇団は、日本一チケットが取りづらいので有名な大人計画。
旦那様はロックバンド・フジファブリックの山内総一郎さんです。
2000年、大人計画の新人オーデションに応募し、見事合格。
以後、大人計画の舞台やドラマ、映画で活躍しています。
芸名の「平岩紙」は劇団主催者である松尾スズキさんが命名しました。
平岩さんの肌が紙のように白いことが由来だとか。
ここで「雪」にしないところがさすが松尾スズキさん、芥川賞候補作家の感性は違いますね。
平岩紙さんは同じ大人計画所属の脚本家 宮藤官九郎さんのドラマによく出演しています。
お茶の間での認知度を一気に高めたのは2002年のテレビドラマ『木更津キャッツアイ』におけるミー子ではないでしょうか?
岡田准一さん、櫻井翔さんなどのアイドル、阿部サダヲさん、古田新太さんなどの個性派俳優と並んでも消えない不思議な存在感。
ふんわりした印象の女優さんですが、地面に足の着いたリアリティーがあります。
平岩紙さんが出演するおすすめの作品
2007年映画『クワイエットルームにようこそ』
松尾スズキ原作・脚本・監督の映画。
女子専用の精神病院閉鎖病棟で繰り広げられる喜悲劇を、松尾スズキらしい明るさで描いた異色作です。
平岩紙さんが演じるのは閉鎖病棟の看護師である山岸。
明るく気さくな性格から入院患者にも評判のいいナースです。
内田有紀さんが演じたヒロイン明日香、蒼井優さんが演じたミキとは雑談をする仲。
明日香が流動食しか食べられない時に、「ハンバーグと味噌汁とご飯にスピード感を加えた物です」と得体のしれない液体を渡すシーンは笑いました。
こういう、松尾スズキならではのセリフ回しを見事に再現できる点がいいですね。
やさしく、患者との距離が近いようでいて、いざとなると出てくる職業意識の高さが
印象的です。
2023年NHKドラマ『大奥』season2幕末篇
何度も映像化されているよしながふみ原作『大奥』。
その中で原作ファンからの評価が高いのが2023年NHK版です。
視聴率は悪いようですが、原作に忠実、かつ映像化ならではのひねりがあって質の高いドラマに仕上がっています。
平岩紙さんがこのドラマで演じたのは観行院。
和宮様のお母様ですね。
こう書くとほほえましいですが、実は観行院は今でいう「毒親」。
子供をありのままに受け入れられない母親です。
平岩紙さんの出番は少なかったですが、視聴者に大きなインパクトを与えた様子。
親子関係で悩んだ人にはフラッシュバッグがあったよう。
コメディーだけでなく、こうした重たい役を演じられるのが平岩紙さんのすごいところです。
2023年映画『波紋』
監督・脚本は萩上直子。
筒井真理子さん主演のヒューマンドラマです。
新興宗教に入り、活動に励みながら日々を送っていた須藤依子。
ある日突然、十数年前に失踪していた夫が戻ってきます。
義父の介護を依子に押し付けていなくなった夫は、がんになったので生活を援助して欲しいと切り出す始末。
一方、二人の息子は障害を持つ恋人を家に連れて帰ります。
さらに、日々のストレスが依子を襲い、精神のバランスをとるため信仰にすがりますが…。
この中で平岩紙さんが演じたのは依子が入信している新興宗教団体の仲間 伊藤節子。
にこやかでなごやかなのに得体が知れないところ、怖いです。
同じく宗教団体の仲間を演じている江口のりこさんの小笠原ひとみとともに、「実際にいそう!」と観客をドン引きさせました。
あの、有無を言わせない善意の押し付けがおそろしい。
「地獄への道は善意でしきつめられている」というヨーロッパのことわざを思い出しました。
まとめ
平凡なOLから毒親、新興宗教の信者まで幅広い演技ができるのが平岩紙さんの魅力です。
新春ドラマに期待したいですね。