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【2024年新春ドラマ】松本清張の「顔」はどんなお話?過去の映像化を交えて紹介します

12月に入り、早くも来年放送されるドラマの話題がにぎわっていますね。

特にこの時期には新春特別ドラマのニュースが集中。

「このドラマはリアルタイムに見て、こっちは録画して…」とスケジュールを立てている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

年明け早々、テレビ朝日開局65周年記念として松本清張原作のドラマが二夜連続で放送されることになっています。

2024年1月3日水曜、4日木曜ですね。

その第一夜が「顔」。

何度も映像化されている有名な短編小説ですね。

今回はドラマ出演がなんと30年ぶりという後藤久美子さんと武井咲さんの共演ですから、注目度が高いですね。

今回は松本清張の「顔」について紹介したいと思います。

今から予習しておけば、お正月にはドラマが2倍、3倍楽しめますよ。

目次

松本清張作 「顔」とは?

「顔」は松本清張が1956年(昭和31年)に『小説新潮』に発表した短編推理小説です。

発表時から評価が高く、同年出版された短編集の表題作になっています。

松本清張はこの短編集で第10回日本探偵作家クラブ賞を獲得。

まさに記念すべき作品ですね。

数が多すぎて読破が難しいといわれる松本清張作品の中でも、ポピュラーな小説です。

松本清張 「顔」のあらすじ

ストーリーはある男の日記から始まります。

東京の小さな劇団に所属する井野良吉に、映画出演のオファーが舞い込みます。

傍役でも芸達者な役者を使いたいという、有名な映画監督から指名を受けたのです。

多くの役者が夢見る、メジャーへのチャンスのはず。

ですが、井野の心は晴れません。

映画の撮影中、予告編の公開、上映中、何かにおびえる井野。

井野の演技を見た映画配給会社から別の仕事も舞い込みますが、心からは喜べません。

実は井野良吉には9年前、妊娠した恋人ミヤ子を殺害した過去がありました。

しかも、犯行の直前にミヤ子の知人である石岡貞三郎に顔を見られていたのです。

「俳優として成功したい。けれども、全国的に顔が売れたら、殺人犯だと露見してしまう」

井野良吉はそんなジレンマを抱えて生きたのでした。

井野は興信所を使い、石岡の動向を探り、戦々恐々とする日々。

ある日、到来したチャンスを活かすために井野はある決断をしますが…。

松本清張らしい、きめの細かい心理描写。

人間の功名心と弱さを描き、ラストには痛烈な皮肉が待ち受ける名作短編です。

松本清張「顔」映像作品は主人公が女性に変更されることが多い

ここまで読んで「後藤久美子さんと武井咲さんの役は何?」と思った方は多いのではないでしょうか。

実はこの「顔」、映像化される際に女性キャストに変更されることがよくあります。

もちろん、ストーリーも大幅に脚色。

過去には岡田茉莉子さん、倍賞千恵子さん、松雪泰子さん、戸田菜穂さんなどが主演しています。

妊娠した恋人を殺害する男に、女性が感情移入するのは困難です。

この変更は女性の観客・視聴者を意識したものでしょう。

ストーリーも犯人に同情できる要素が加えられています。

今回のドラマ化も、その流れをくむものですね。

原作の時代背景、内容に忠実なドラマ化はNHKのスペシャルドラマ版。

井野良吉役に谷原章介さんをすえ、小説の設定を踏襲しています。

NHK版は今でも松本清張ファンに好評ですね。

松本清張「顔」はどの短篇集に収録されている?

原作が読んでみたい方は新潮文庫の短編集『張り込み』をどうぞ。

「顔」以外にも「地方紙を買う女」「鬼畜」「一年半待て」など映像化された名作が多数収録されています。

宮部みゆきさんや横山秀夫さんなど人気作家が選ぶ松本清張作品にも顔を出す作品群ですね。

電子書籍でさっと読みたい方は角川版。

『顔・白い闇』がおすすめです。

まとめ

2024年新春特別ドラマ 松本清張「顔」は何度も映像化されている名作です。

ドラマを見る前に、原作を読んでおくと楽しさ倍増。

新潮文庫の『張り込み』、角川文庫の電子書籍版『顔・白い闇』がおすすめです。

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