年末年始に映画やドラマを視聴するためにサブスクに加入する方はいらっしゃると思います。
冬期休暇は終わった、でも解約までにはまだ時間がある―。
なにかNetflixでしか見られない作品を見ておこうかな?とお考えの方に向けて傑作ドキュメンタリーをご紹介します。
Netflixのドキュメンタリーといえば、高品質なことと未解決事件・猟奇的な事件を扱う印象がありますよね。
今回は私たちも他人事ではない、ネットに潜む犯罪や闇についてのドキュメンタリーを集めました。
犯罪の手口は知ってさえいれば防げるものがあります。
「転ばぬ先の杖」
この機会に、お手軽・便利の裏にあるインターネットの影の部分をのぞいてみませんか?
『Tinder詐欺師;恋愛は大金を生む』(2022年)
マッチングアプリTinderでダイヤモンド会社のCEOを名乗る男性サイモンと出会った女性たち。
一見やさしげな容貌に自家用機、高級ホテル、高価なプレゼントに気配り。
サイモンに心を許した女性たちは多額のお金をだまし取られることになります。
被害者が実名・顔出しで臨んだ異色のドキュメンタリー。
驚いたのは、詐欺にあった女性たちがみな若く美しく、行動力と勇気を持った人物だったことです。
そしてこんな女性たちでも騙されるほど、サイモンの詐欺が大掛かりで巧妙でした。
女性たちはみな、実際に彼の自家用機に乗り、高級レストランで食事をし、海外でのバカンスを楽しんでいます。
そしてサイモンはひとりではなく、ボディーガードや元ガールフレンド(!)にも紹介し、被害者たちの警戒心を解いていきます。
筆者が犯人の悪だくみに舌を巻いたのは彼が「返報性の原理」を使っていること。
善良な人は、他人に何かをしてもらうと必ずお返しをしたくなります。
これを利用して、犯人は女性たちからクレジットカードや現金を巻き上げていくのですね。
この辺りは見ていて胸が痛くなりました。
そして、さらなる被害者を出さないために実名と顔を出してマスコミの取材に応じた被害者たちを待ち受けていた二次被害。
「バカ」「欲張り」「自業自得」そんな言葉を投げつけられたそうです。
これは日本の豊田商事事件と同じですね。
絶対に悪いのは犯人であるにもかかわらず、被害者が貶められる風潮に国境はないようです。
気分が悪くなる内容ですが、被害者たちの勇敢さと前向きな姿勢に救われる一本です。
『サイバー地獄;n番部屋ネット犯罪を暴く』(2022年)
韓国で起きた、史上最悪のデジタル性犯罪「n番部屋事件」。
その全容と、犯人逮捕に奔走した人々を丁寧に取材したドキュメンタリーです。
年端もいかない少女たちが狙われた唾棄すべき事件ですが、私はどうして少女たちが犯人のいうことを聞いたのか?が不思議でした。
ドキュメンタリーを見てわかったのですが、犯人の手口はこうでした。
彼女たちはスマホに送られてきたメッセージ「君の写真がネット上に拡散されている。ここをクリックして」を信じてしまいます。
これは犯人の嘘で、実はクリックさせることで被害者少女たちのスマホから情報を抜き取り、それをもとに脅迫を始めるのです。
自分の住所・通っている学校・電話番号・家族・友人を犯人に知られた少女たちは、誰にも相談できずに犯人の要求を受け入れてしまうという恐ろしい流れです。
犯行は胸が悪くなるのでここには書きませんが、子供にスマホやiPhoneを持たせるときには最低限の知識と「あぶないと感じたら、クリックせず家族に相談」を徹底させなければだめだと思いましたね。
『バッド・ヴィーガン;サルマ・メルンガイリスの栄光と転落』(2022年)
アメリカで大成功を収めたローフード&ヴィーガン料理のレストラン経営者サルマ・メルンガイリス。
若く美しく聡明なサルマがなぜ、逃亡者になってしまったのか?
その陰にはある男性の存在がありました。
サルマがその男性アンソニーと出会うきっかけになったのはTwitter(現在のX)。
レストランの顧客で友人でも会ったアレック・ボールドウィンと相互フォローをしていた彼のつぶやきに興味を持ったからです。
つい、「アレック・ボールドウィンと同じ世界の人」と思い込んでしまいます。
実はアンソニーはただの詐欺師でしたが、サルマは彼を信じたことで生活が変わってしまいます。
SNSの危険性と妄信の怖さが分かるドキュメンタリー。
どんなに賢い女性でも、仕事や私生活で疲れている時には判断力が低下して騙されてしまう―。
これは心にとどめておきたい事実ですね。
まとめ
3つのドキュメンタリーについて紹介しました。
興味のある方はぜひ、ご覧くださいね。