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京極夏彦 百鬼夜行シリーズの順番は?作品は刊行順に読むべき?【京極堂シリーズ】

京極夏彦の百鬼夜行シリーズが17年ぶりに出版されました。

民俗学と論理学、戦後日本の混沌とした雰囲気が融合し、独特な世界観を持つ作品群です。

主人公 中禅寺秋彦ほか奇抜なキャラクターが読書家の心をつかんでいますね。

最新刊『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ)は、百鬼夜行シリーズの長編第9作目。

前作は2006年の『邪魅の雫』ですから、まさにファン待望の一冊です。

殺人の記憶を持つメイド、消えた三人の死体、光る猿、失踪した調剤薬局の経営者。

これらの謎がどんなつながりを見せるのか?日光東照宮を舞台に繰り広げられる長編ミステリー。

書店やネット、本の雑誌では大騒ぎ。

ネットニュースで京極夏彦のインタビュー記事をよく目にしますね。

「気になってはいるけれど読んだことはない」

「これから読もうかな?」

この記事はそんな方に向けて、百鬼夜行シリーズの順番、刊行順に読んだ方がいいかについて解説したいと思います。

目次

京極夏彦 百鬼夜行シリーズの順番

博学多識の古書店「京極堂」店主にして神主、中禅寺秋彦が「憑き物落とし」をして事件を解決する百鬼夜行シリーズ。

一覧は以下の通りです。

  • 『姑獲鳥の夏』(うぶめのなつ) 1994年
  • 『魍魎の匣』(もうりょうのはこ) 1995年
  • 『狂骨の夢』(きょうこつのゆめ) 1995年
  • 『鉄鼠の檻』(てっそのおり) 1996年
  • 『絡新婦の理』(じょろうぐものことわり) 1996年
  • 『塗仏の宴 宴の支度』(ぬりぼとけのうたげ うたげのしたく) 1998年
  • 『塗仏の宴 宴の始末』(ぬりぼとけのうたげ うたげのしまつ)1998年
  • 『陰摩羅鬼の瑕』(おんもらきのきず) 2003年
  • 『邪魅の雫』(じゃみのしずく) 2006年
  • 『鵼の碑』(ぬえのいしぶみ) 2023年

『塗仏の宴』だけは「支度」「始末」と、前編・後編に別れています。

こうしてみると、最初は1年に2作ペースで出版されていました。

ファンとしては、新作がすぐに出たあの頃がなつかしいですね。

京極夏彦 百鬼夜行シリーズは刊行順に読むべき?

結論から言えば、刊行順に読んだ方が楽しめます。

ミステリーのシリーズにはさまざまなものがあります。

アガサ・クリスティの名探偵ポワロ、ミス・マープルシリーズ、横溝正史の金田一耕助シリーズ、江戸川乱歩の明智小五郎シリーズなどが有名ですね。

これらの作品は順番通りに読まなくても楽しめるものが多く見受けられます。

多くの方が『オリエント急行殺人事件』や『クリスタル殺人事件』、『犬神家の一族』など映像化された名作から手にされたのではないでしょうか。

それでも、さほど支障はありません。

登場人物の動向、人間関係の変化が多少見られるものの、根幹の謎解き部分には影響がないからですね。

ですが、百鬼夜行シリーズは違います。

一作だけでも楽しめますが、終盤で前作の登場人物が出てきたり、話の筋に絡んだりします。

実際、いきなり『絡新婦の理』から読んだ私の家族は

「知らない名前がたくさん出てくる」

とぼやいていました。

それなりに面白かったようですが、順番に読んできたファンほど内容に踏み込めなかったようですね。

そして、今回の『鵼の碑』は物語の前半から、過去作のストーリーがどんどん出てきます。

これは、過去の作品必読ですね。

京極夏彦 百鬼夜行シリーズ 簡単に概要をつかむには?

順番に読むのが一番、とわかっても分厚いことで知られる京極夏彦の本。

これから8作品読むのは大変ですよね。

しかも、考えることはみな同じなので図書館での貸し出しはかなり待たされると思います。

そんなときにはこちらがおすすめ。

  • 映画版を見る
  • 漫画版を読む

百鬼夜行シリーズは2作目までは映画化されています。

主人公 中禅寺秋彦を堤真一さんが演じています。

田中麗奈さん、永瀬正敏さん、阿部寛さんなど豪華な顔ぶれ。

また、『絡新婦の理』まではコミカライズされているので、内容をざっくり知りたい人にはおすすめです。

原作の持つ独特の雰囲気や魅力はやや薄れますが、全く読まないよりは流れをつかみやすいと思います。

iPhone、Androidの読み上げはおすすめできない

普段、私は時間がない方にはiPhone、Androidの読み上げ機能を使った読書をおすすめします。

Kindleやkoboなどの電子書籍を購入し、iPhone・スマホを使って「聴く読書」。

通勤や通学、家事をしながらイヤフォンで楽しめて便利です。

ですが、京極夏彦の小説、特に百鬼夜行シリーズは読み上げ機能の使用に向きません。

旧漢字、常用外漢字が多く使われるため、読み飛ばし・誤読が頻発します。

今回はタイトルすら読んでもらえません。(涙)

また、一般的に使われない漢字はiPhoneが活字ではなく「画像」として認識するため、「画像(がぞう)」と読み上げてしまいます。

何度か試したことがありますが、ほとんど意味を取ることができませんでした。

オーディオブック化が待ち遠しいですね。

まとめ

京極夏彦の百鬼夜行シリーズは刊行順番に読んだ方が楽しめます。

電子書籍を購入し、iPhoneなどの読み上げ機能を使うのは不向き。

映画版、コミック版で概要をつかむのがおすすめです。

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