この秋、注目のアニメがあります。
2023年10月2日月曜日の夜10時に開始したアニメ『ミギとダリ』です。
キャッチフレーズは「ふたりはひとり ひとりはふたり」。
第1回はご覧になりましたか?
放送局はAT-X、TOKYO MX、BS11。
Abemaテレビやdアニメストア、DMM TVなどアニメ配信サイトでも視聴可能です。
原作は佐野菜見の漫画。
『ハルタ』(KADOKAWA)で2017年から2021年に連載されていました。
コミック全7巻、2021年2月に完結しています。
スタイリッシュなオープニング、やや暗い色調、硬質な絵柄からサスペンスかホラーかと思いきや、シュールなギャグに驚きの連続。
ユニークな世界観、予想を裏切る展開に目が離せません。
この記事ではアニメ『ミギとダリ』について深掘りしたいと思います。
アニメ『ミギとダリ』のあらすじ
時は1990年、場所は神戸市北区。
アメリカの郊外をモデルにして作られた住宅地「オリゴン村」。
児童養護施設にいた金髪の美少年 秘鳥(ひとり)が、その村に住む園山夫妻に引き取られるところから物語が始まります。
瀟洒な一軒家を持つ老夫婦は裕福な生活を送っていますが、子宝に恵まれませんでした。
孤児を引き取って幸せな家庭を築きたい―。
そんな思いから秘鳥少年を息子として迎えた模様。
園山夫妻は秘鳥に居心地の良い家庭を与えるため、子供部屋や洋服などを準備して歓迎します。
一方、素直で遠慮がちな美少年 秘鳥には秘密がありました。
秘鳥は双子。
名前はミギとダリです。
ミギが弟、ダリが兄。
双子の存在を隠し、引っ越し荷物にまぎれこませて園山家に侵入しました。
二人は同じ髪型、同じ服装で徹底して「ひとり」を装います。
園山夫妻の前では「いい子」にふるまっていますが、双子だけの時は毒舌。
双子はある目的をもって園山家にもぐりこんだようで…。
『坂本ですが?』の佐野菜見が放つ、異色のギャグ・サスペンスです。
アニメ『ミギとダリ』の見どころ
『ミギとダリ』のストーリー
目的をもって他人の家に入り込む人物を描いたサスペンスやスリラーはたくさんあります。
ハリー・クレッシングの『料理人』、クリスチアナ・ブランドの「この家に祝福あれ」、ヒュー・シーモア・ウォルポールの『銀の仮面』など枚挙にいとまがありません。
「家庭」という「密室」に、赤の他人が入ってくるのですから、下手をすれば生命の危機にさらされます。
見ているこちらもドキドキしますよね。
これから一体、何が起きるのだろう?
人の好い老夫婦に何も起きなければいいけれど。
そんなことを考えながら、ミギとダリの動向を見守ります。
『ミギとダリ』の演出
佐野菜見の作品は演出が難しいと思います。
ギャグとサスペンス・スリラーの融合は、紙の上では実現可能ですが、映像化作品は絵柄や声、音楽、効果音、間の取り方など気を遣う要素が増えるもの。
失敗すると目も当てられません。
ですが、今回のアニメ化はスタッフさんがいいお仕事をなさっていますね。
サスペンス要素を盛り上げる音楽と演出が秀逸。
さらっと流されるギャグ要素もスパイスになって、飽きさせません。
大人が見ても楽しめる作品に仕上がっています。
『ミギとダリ』原作とアニメの違い
最初からアニメオリジナルのシーンがあります。
漫画は秘鳥が園山家に引っ越してくるところから始まりますが、アニメ版は児童養護施設での出会いが描かれています。
そして、ミギとダリの「あざとさ」が見事に表現されていて、視聴したときには笑いました。
この「やり過ぎ」な感じ。
まさに佐野菜見の世界ですよね。
初めての食事シーンでも会話の一部やペットの存在がカットされています。
次回以降に出てくるのでしょうか?
脚本が凝っているので、どんな見せ場を作るのか期待大ですね。
アニメ化に当たって、キャラクターデザインの西畑あゆみはすてきな仕事ぶりですね。
佐野菜見の絵柄は70〜80年代の少女漫画を思わせるタッチなのですが、原画の雰囲気を壊さずにアニメらしい絵柄になっています。
この、ミステリアスな雰囲気がたまりません。
まとめ
2023年秋アニメ『ミギとダリ』はギャグとサスペンス・スリラーが融合したユニークな作品。
キャラクターデザイン、音楽、演出が秀逸で大人が見ても楽しめます。
おすすめですよ。