2021年7月に公開された細田守監督の「竜とそばかすの姫」は2022年1月の日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞したり、興行収入も66億円を突破するなど大成功を収められています。
しかし映画を視聴した方の中には、「意味がわからない」「つまらなかった」などの酷評もちらほら・・・。
細田監督といえば、「時をかける少女」「サマーウォーズ」などヒット作品を生み出していますが、なぜひどい・つまらないなどの酷評が出てきているのでしょうか?
そこで「竜とそばかすの姫」がひどい・つまらないと言われている理由を考察してみたいと思います。
【竜とそばかすの姫】ひどい・つまらないと酷評があるのはなぜ?
「竜とそばかすの姫」を視聴した方の中には、一度視聴しただけでは分かりづらいと言ってる方が多く、現実世界とUでの出来事が混乱するようです。
二回目を視聴して見えてくる部分もあり、一回目より二回目のほうが理解が深まり面白いと感じているようですね。
ではなぜ酷評が多いのでしょうか?
【竜とそばかすの姫】子供に見せたくないと言われるのはなぜ?
「竜とそばかすの姫」は子供に見せたくないとも言われており、その理由は以下の3つだと思われます。
- ストーリーが小さな子供には理解できない(仮想現実と現実世界を行ったり来たりするため)
- 上映時間が121分と長い
- 母親が亡くなるシーンや父親に暴力を受ける虐待描写がある
- 他の子供を助けることが悪いことのように感じる
虐待シーンはほんの少しなので小さなお子さんには訳もわからないまま終わるかもしれませんが、虐待された子供は保護したら解決という解釈を助長しかねないという声が多くありました。
「昨今児童虐待が問題になっているので、もう少し慎重に描いてほしい」と少しでも虐待シーンがあると知ると小学生以下のお子さんを持つ保護者の方は見せるのを躊躇してしまうようです。
またすずのお母さんが他の子供を助けて亡くなってしまうシーンは、「母親が誰かを助けることで自分の子が苦しむ」と感じてしまうのではないかという声もありました。
【竜とそばかすの姫】Uの実態は?分かりづらいと言われるのはどんな所?
”U”とはインターネットの仮想世界で、個々が〈As(アズ)〉という自分の分身(=アバター)を持ち、新しい人生を始められる第2の現実であり、世界を変えられる空間のことです。
インターネットに精通していない人たちからすると、仮想空間を理解が少し難しいと言われています。
仮想世界と現実世界を行ったり来たりするのもピンとこないかもしれませんね。
物語の序盤で仮想世界がどういうものかという説明のようなものがなかったのも、分かりづらいと言われる原因かもしれません。
例えば、キャラクター自身が生体情報で作られた独自の声を利用して脳内意識的に歌っているとか、竜が仮想空間で暴れているのはサービス的には利用規約に違反する行為ではないのかなど、疑問はたくさん出てきます。
しかも別の自分としてアズがあるにも関わらず、正体を知られる可能性や周りの人が正体に気づいてしまうというのも少し不自然です。
観客としては圧倒的情報不足のまま物語が進むので、分かりづらいという結果になってしまうのかもしれませんね。
【竜とそばかすの姫】ストーリーや結末に無理がある?
「竜とそばかすの姫」は「美女と野獣」に似ていると言われていますが、公式で「”インターネットの世界の美女と野獣”を彷彿とさせている」と正式に発表しています。
また、設定が「サマーウォーズ」に似ていて比べてしまうとの意見もありますが、シンガーの中村佳穂さんの歌声や音楽・映像の美しさや世界観はずば抜けて素晴らしいのではないでしょうか?
ストーリー後半は虐待の深刻な問題が浮き彫りになり、すずが1人で東京に行くのですが周りの人達は何もせず見守るだけです。
しのぶくんにはついて行ってほしかったという気もしますが、すずが変わるには一人で立ち向かう必要があったのかもしれませんね。
しかし高校生の女の子一人を遠く離れた東京まで一人で行かせる危険を見過ごす行為に違和感をおぼえるような結末になってしまっているのが、少し無理があると言われている理由かもしれません。
【竜とそばかすの姫】ひどい・つまらないと酷評があるのはなぜ?まとめ
細田守監督作品には社会システムへの不信感を伝えるメッセージ的なものも見え隠れすると評判ですが、それをいいと思う人もいれば良くないと思う人もたくさんいるということですね。
受け手がこれほどまでに語りたくなるのは「竜とそばかすの姫」にそれだけ価値がある作品という証拠ではないでしょうか?
映像美と歌の素晴らしさにファンもたくさんいらっしゃるので、理解を深めるためにも、もう一度視聴されるのもオススメですよ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。